首都圏外郭放水路：マイクラで学ぶ治水と防災

水害と闘い続けた街の記憶

埼玉県春日部市――
この地は、古くから中小河川が入り組み、豪雨のたびに氾濫に見舞われてきました。
「町を水害から救いたい」――その願いから生まれたのが、世界最大級の治水施設 首都圏外郭放水路 です。

地底に眠る巨大なる神

地中50メートル、全長6.3キロにわたって掘り進められたトンネル。
その中心には、高さ18メートル、幅78メートル、長さ177メートルの巨大調圧水槽――
まるで「地下の神殿」と呼ぶにふさわしい空間が広がっています。

2006年に本格稼働して以来、この施設は幾度もの洪水から首都圏を守ってきました。
ポンプ室では巨大ポンプが稼働し、毎秒200立方メートルもの水を江戸川へと流し去ります。
それは人知れず行われる“地下の戦い”。
市民が安心して暮らせるのは、この施設が静かに守っているからなのです。